第三の波こそが、少なくとも僕が小学校に入った頃からこの30年あまりの世の中の付加価値の中心であったと思われるが、このど真ん中に生きて来た、古くは弁護士、医者、会計士、最近であればSEとか、経営コンサルタントと呼ばれる人たちの行ってきたことの大半は、IT革命とともに葬り去られつつある。
それは僕もそれに類する仕事に久しく関わって来ただけに切実に感じる。第三の波の世界での最大の付加価値は、言ってみれば情報の不均衡をうまく作り出し、それをテコにして儲ける、まあ非常にえぐい見方をすれば、それであった。実際にやっている人、経験を積んだ人しか分からないようなトリック(仕組み)が大量にあれば、それは成り立つ。
が、そのようなトリックは、古くはスプレッドシートの発明により、会計、経理的な仕事が誰にでも出来るようになり、最近では、クイッケンのようなものの発明のために、税金周りの仕事も誰にでも出来るようになった。医療だって、もう大体の症状を叩けば、今、自分におこっていることは大体わからないでもない時代になりつつある。アメリカでは既に診断系のソフトが広まりつつあるという話は時折、耳にする。日本で広まるのも時間の問題だろう。社会のシニア化で動きが見えにくくなっているが、医療費削減の折り、そもそも今の医療機関に殺到することは考えにくく、その視点でも、このトレンドは進むはずである。
コンサルタント、医者、会計士などが大切にして来た分析手法だとか、フレームワーク、バリュエーションなどの方法論は、急速に「知っていること」自体の価値はなくなってしまいつつある。実際の利用においてはかなり入り組んでいるものが多いので、未だに紙で見たぐらいでは、実際には到底使いこなせないケースが殆どだが、こういうことを広める動きが日本では激しく、世界的にもかなり急速に広まって来ているので、この流れはもう止めることは出来ない。仕事を始めて数年ぐらいの医者、会計士、弁護士、コンサルタントが価値を生み出すことは、今後加速度的に困難になるだろう。
引用元:https://gkojay.tumblr.com/post/672077360826400768