自分が主体的に行動している感覚が得られれば、多忙感を覚えることはなくなります

多忙感の本質は、実態と感覚の差異にあります。言い換えれば、時間の量と質の差異です。

時短や効率化は、時間の「量」だけを対象にした問題解決で、「質」に対する解決が抜け落ちていました。では、どうすれば時間の質を上げることができるのでしょうか?

その答えは、冒頭の2つの時間感覚の違いを分析することで見えてきます。会議に振り回された1時間は、「突然決まった会議」に「追いかけられる」ように参加し、「予定が狂わされた」感覚でした。一方、プロジェクトに没頭した1時間は、「自分で選んで」「自分のペースで」「自分なりのやり方で」進めていた時間でした。

この違いこそが、多忙感を解消するための鍵です。つまり、自分が主体的に行動している感覚が得られるかどうかです。

この感覚を「行為主体感」と呼びます。「行為主体感」が得られれば、多忙感を覚えることはなくなります。

(…) やるべきことを思い出したとき、頭の中で「○○しなきゃいけないんだった」とつぶやくこともあると思います。この一言は、無意識のうちに自分を多忙感に追いやっています。なぜなら、「やらなければいけないこと」が突然迫ってくるムービング・タイム型の思考だからです。

これを一言でムービング・エゴに変換しましょう。

「○○をどうやってやろう」

頭の中でこうつぶやくだけで、落ち着いてその作業をする自分の姿が勝手にイメージされます。イメージが鮮明なほど、現在地から進むことができる、つまりやるべきことをすんなり実行に移しやすくなります。

(…) 「やらなきゃ」と思っているとき、実は私たちはタスクを直視できていません。タスクに追いかけられ、受け身の立場にいます。

一方「どうやってやろう」と考えるとき、私たちはそのタスクに主体的に向き合う立場に変わります。同じタスクでも、追いかけられるものから、自分がコントロールできるものへと変わります。

小さな言葉の変化が行動力に与える影響は、想像以上に大きいのです。

引用元:https://backy3723.tumblr.com/post/802702408948006912