ソーラーカーレースに出場する車は、たいてい畳六畳分ぐらいの巨大な太陽電池を広げて走っています。あんな大きなパネルを背負っているのに意外にパワーがなく、加速は緩いし、悪路や坂道も苦手です。現状の太陽電池の効率がせいぜい20%程度なのは事実ですが、これが100%になったところで、その動力は原付の半分にも及びません。
そうなってしまうのは、太陽のエネルギーが地上ではとても薄いからです。スポーツカーのように力強く走り回れるだけの電力を供給しようとすると、50mプールのような面積の太陽電池が必要になってしまいます。
一方、動物たちはこの希薄なエネルギーをうまく集めて使っています。植物はとても効率よく太陽のエネルギーを取り込みますが、そのほとんどのエネルギーを炭水化物に換え、成長だけに使います。動物は、その植物をたくさん食べることによって、太陽エネルギーを濃縮し、動き回っているのです。ソーラーカーというと太陽電池だけで走る究極のエコカーを夢見てしまいますが、そんなことができるぐらいなら、とっくに地球上の植物は走り回っているでしょう。
引用元:http://lleedd.com/blog/2009/12/18/flying_chicken/