実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、”自立”と呼ばれる状態

“自立”とはどういうことでしょうか?

一般的に「自立」の反対語は「依存」だと勘違いされていますが、人間は物であったり人であったり、様々なものに依存しないと生きていけないんですよ。

東日本大震災のとき、私は職場である5階の研究室から逃げ遅れてしまいました。なぜかというとかんたんで、エレバーターが止まってしまったからです。

そのとき、逃げるということを可能にする”依存先”が、自分には少なかったことを知りました。エレベーターが止まっても、他の人は階建やはしごで逃げられます。
5階から逃げるという行為に対して3つも依存先があります。ところが私にはエレベーターしかなかった。

実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、”自立”と呼ばれる状態なのだろうと思います。

だから、自立を目指すなら。むしろ依存先を増やさないといけない。障害者の多くは親か施設しか頼るものがなく、依存先が集中している状態です。だから、障害者の自立生活運動は「依存先を親や施設以外に広げる運動」だと言いかえることができると思います。
今にして思えば、私の一人暮らし体験は、親からの自立ではなくて、親以外に依存先を開拓するためでしたね。

引用元:https://hzmnryk.tumblr.com/post/190230953093/hkakktakka