地球の走り方・一人自転車旅行Tips

一人自転車旅行のプラン作成では、海外での自転車旅行に関する情報はスマホ全盛ではない頃のものが多く、かつ「行ってきました」系の情報はあるものの「準備はどうしたらいいか」系の最新情報は皆無でしたので、事前準備が色々大変でした。

この旅でせっかく得た経験を私の頭だけに留めておくのはかなりもったいないので、やってみようと思った方のためにTipsとしてまとめておきます。自転車旅行でなくても海外旅行時の参考になれば幸いです。

なお、下記は1〜2週間程度の短期間の自転車旅行を想定したものになります。1ヶ月以上の長旅の場合は時間的な余裕があり、大きく予定を変えられるだけの柔軟な対応も可能だと思いますので、ここまで細かく準備をする必要はないと思います。ただし、カブるところは多いと思いますので、参考にしていただければと思います。通常の海外旅行のプランニングでも参考になるところは多くあるので、一読をオススメします。

[プラン立案編]

自転車旅行で走破する場所は、以下の項目を順番に決めると決めやすいです。

  1. 行きたい場所とおおざっぱなルート
  2. 飛行機でのIN/OUTの都市
  3. 行く時期
  4. 航空会社・鉄道
  5. 宿泊先

行きたい場所とおおざっぱなルート

走破したい地域と、その中で安全を考えて細かく町があるルートや、Warmshowersを利用するならばHostの多くいる地域を優先するとか等になります。ルートと距離の確認のたたき台には、GoogleMapで移動手段に自転車を選ぶことで確認できます。道路の様子はGoogleストリートビューでおおよそのイメージを掴めます。街中は道路に何かあってもある程度迂回路がありますが、街と街を結ぶ道路が山越えのダートだったりすることもありますので、山間・林間の道路の様子を確認すべきですね。最終的には実際にナビとして使うOmsAmdというスマホアプリで示されるルートを確認するのが良いです。

ルートを概ね確認したら、走行不能時にリカバリが可能かどうかについても確認します。確認のポイントは、移動中通過する街に、ホテル・ユースホステル、バイシクルショップ、食料品店、駅があるかになります。ルート上に鉄道やバス路線など公共交通機関があればなおよしですね。リカバリ方法がなさそうな場所はヒッチハイクで乗り切ることで腹をくくります。

連日ライドの場合の1日の移動距離は、おおよそ80kmくらいがベストで、これを前提に宿泊ポイントを測ればいいと思います。海外ライドでは、食事、トイレ、ルート回避など、ちょっとした行動にも日本では考えられないようなかなりの時間を割かれます。さらに10Kg程度の荷物を抱えているため、ちょっとした坂道もかなりのパワーを使うため、場合によっては歩いた方がいいこともあります。天気も日本とは違い、一日中雨が降るというよりもある一定の時間に降るような天気もあります。これらにより想定外の遅れが積み重なると到着時間が徐々に遅くなり、焦りがつのってきます。焦りは安全運転には禁物ですので、日本感覚でのロングライドは厳禁です。

飛行機でのIN/OUTの都市

決めたルートに向かうための飛行機のIN/OUTの都市です。特に理由が無い限りは同一の都市かつ自転車梱包資材を預けられるところを選ぶべきです。というのも、海外は日本と違って自転車を分解せずにそのまま積載できるところがありますので、この場合移動中の荷物が多くても都市間移動で苦労することはあまりありません。また、飛行機で自転車を運ぶときに、どうしても問題になるのが自転車の梱包と梱包時の運搬になります。実際に海外で一から梱包をやるとなると、段ボールの入手・製作・補強・資材購入・緩衝材作製等、相当な時間・手間とテクニックを要し丸一日は見ておかないと怖いです。それでいて梱包が確実に終わり強度も十分である確実性も無いので、自転車を無事持って帰れるかもやってみるまでまで分かりません。

また、空港までの移動時には丈夫なキャリアも必須です。キャリアは段ボールのように軽く廃棄・入手するような物ではありませんので、サイクリング中はどこかに保管しておかねばなりません。期間が2週間程度なら時間的コストを考えて梱包資材は多少ルートから遠くても預けておいたほうが旅行中の精神衛生によいです。

行く時期

行く時期は季節・気温・休みを取れる時期と期間等々で決めます。自転車に適した時期は最低気温が15度位、最高気温が最大で30度くらいが良いと思います。暑過ぎは脱水症状の危険があり、寒すぎは荷物の増加につながり、かつトラブル時にはライド中の格好で寒さに耐えられず、事態悪化ループに陥る可能性があるためです。当然ながら雨の降りやすい時期は事故の危険が大きいので避けるべきですね。サイクリング中に雨が無くても雨の降ったあとに未舗装道路に入ったりすると、ブレーキが効かなくなったりしてこれまた危険で、掃除に時間を取られ計画した工程がうまく踏破できなくなる可能性があります。

航空会社・鉄道

自転車の運搬に関しては預託手荷物条件が航空会社で様々です。追加料金を必要とするところ、そもそも預け入れ不可、重量制限超過による追加などの要素があります。自転車の梱包後の重量は概ね普通の航空会社の最大許容重量である23kg以内に収まります。中東系のカタール航空・エディハド航空は最大重量が30kgなので、帰りにお土産を買って箱の中に積んでいけるだけの余裕があります。

航空券は通常は3ヶ月前までに格安航空券サイトで買えばよいです。2ヶ月を切ると値上がりします。なお、格安航空券比較サイトの値段が正しく表示されているとは限らず、実際に予約手続きをするとさらに安くなっていることも多々ありますので、比較サイトのみで最終決定をするのは早計であることは覚えておくべきです。

なお、航空会社でキャンペーンを張っていることもあり、たとえ出発1ヶ月前でも格安航空券サイトの値段とそれほど違いはないようですので、そちらを確認するのも忘れずに。

現地での空港・宿泊先間の移動は通常の旅行とは違って荷物が重く小回りも利かないため、タクシーやホテル手配等の直通バスをお勧めします。日本での移動は宅配便を使えば手ぶらでいけます。

鉄道も海外の場合は早めに予約することで割引が効くことが多いので、移動計画が決まったら早めに予約を入れます。

宿泊先

最低限到着日と出発日の宿泊先は必ず確保しておきます。梱包用資材を預けられるところ、もしくはその近辺がベストです。到着日には自転車の組み立てと調整と確認、出発前日には自転車のパッキング作業を必ず取る必要があり、これを確保しないと不安がつきまとうことになります。

自転車旅行の移動中の日程は早くても2日前にならないと宿泊先を決められません。ですので、確認内容はその区間での一日の移動距離を道路の起伏具合から概算し、道中にホテル・ユースホステルなどの宿泊先があるかを確認します。20~30km毎に宿泊先があるならまず問題は無いと思います。季節によりますが、出発は朝9時、到着は5時を目安にして、観光で立ち寄るところや休憩・道路状況を確認し、移動距離を概算すれば大まかな到達可能な街は目安がつきます。

宿泊先の選定は、予算にもよりますが、自炊が可能という点でユースホステルが一番おすすめです。自転車に乗ると非常にお腹が空きます。外で食べるのも良いですが、自転車旅行の場合は観光一辺倒でないことと、費用と栄養面を考えるとスーパーで食材を買い、自炊をするのが一番満足感が高いです。宿泊先の有無についてはBooking,com等のホテル予約サイトで調べれば、宿泊費などを含めて概算できます。

[旅の準備編]

ルートと航空券が決まったら準備です。早めに手をつけて実際に使用して確認した方がよいものから順に以下の通りになります。

  1. 語学と事前知識
  2. 自転車とパッキング
  3. スマートフォン
  4. スマホアプリ
  5. モバイルバッテリー
  6. 服装
  7. SIM
  8. お土産
  9. 便利小物

語学

最近はスマホによる翻訳も簡単な文であればそれなりの精度で訳されるようになってきたため、まったく話せなくても最低限の意思疎通そのものはできるようになりました。ですので、緊急時に言葉が通じず途方に暮れる事態は避けられますが、それでも買い物やトラブル対処には直接の会話が必須です。WarmShowersを利用するなら現地語か英語での会話は必須になります。とりあえず英語を押さえておけば、大概近くに話せる方はいると思いますので、英語で対応ができるようにはしておくべきです。

なお、会話そのものだけでなく、相手に不快感を与えないように稚拙でも良いので失礼のない丁寧な言葉遣いを心がけるように学習をすすめ、コミュニケーションをスムースにするため日本のことについて話せるように意識して学ぶようにして相手の興味にきちんと答えられるようにするとよいです。

訪問国についての事前知識(人気スポーツ、政治、その国へのイメージ)も事前に収集しておくとコミュニケーションしやすいです。現地の言葉も、挨拶と自分の名前くらいは話せるようにしておくと心証が格段に良くなりますね。

自転車とパッキング

自転車は慣れとロングライドに適した自転車・乗り方の調整が必要ですので、計画が浮上したらできるだけ現地でのライドを想定して様々な環境で走ります。体力向上の目的というよりもむしろ、いろいろなトラブルを早めに体験し・対処方法を確認することが重要で、ライド中に起こりうるイージートラブル(バンク・ワイヤー切れ・悪路走行など)を想定し、必要な対処方法もイメージします。こうすることで現地でのライド中の緊張感が緩和でき、より安全に対応して走行することができます。

自転車の種類は最低限サスペンションがついたもの、できればディスクブレーキのランドナータイプが良いです。幹線道路を走る予定であっても工事中の悪路など予期せぬ悪路の走行もままあります。朝露等による泥や雨にまみれることもあり、安全を考えるならばロングライド用の自転車が一番です。

荷物の積載にはキャリアが必須になります。リュックを背負ってのロングライドは体に思いの外負担がかかり疲労が蓄積する他、背中の汗が乾かないなど衛生面でも問題になります。荷物は脱着が容易なオルトリーブのパニアバッグがオススメです。私はこれの他に、同様の脱着機構を持ったArkelのリュックを購入しました。Arkelのリュックはヘルメットも保持できるため、日本・海外を問わず自転車を畳んで移動するときに重宝しました。

トラブル時には最悪の場合現地の人の助けを借りることになり、その際には自転車を車で運ぶことが想定されます。車にはキャリアがあるわけではないので、実際に自転車を分解し、どのようにしたら車に載せられるかを確認しておきます。

自転車の鍵も重要になります。日本では鍵さえかけておけばそれほど盗まれる危険は感じませんが、海外ではホイールのみ盗まれることもままありますので、外れるものは全てロックするか持ち歩くことになります。鍵はいかにもロックしているような日本ではあまり使われないような自己主張の強いものがよく、この場合ロックの重さも重くなり決してバカにはできません。鍵は普段使いのもの+長い切り難いワイヤーがあれば安心かと思います。

一部高速電車では自転車をそのまま載せられない場合もありますので、輪行可能な自転車であればパックして乗せることも想定し、その際に全ての荷物を運ぶためにどうしたら良いかを事前に考えて荷造り方法を準備しておきます。

自転車を現地まで運ぶ際のパッキングのコツについても確認する必要があります。すでに経験者がいるのであれば、その人に聞きその人と同じ方法をとるのが一番早いです。もしいなければ、先に運搬用の箱を入手し、実際にパッキングをしてどれだけの重さになるか、どのように運ぶかも合わせて確認します。箱によっては重さによって底が抜けたり、箱が破れたりする懸念がある他、重量バランスによっては箱を運びやすくするための取っ手の位置も考慮する必要があります。取っ手の位置がよければ、飛行機のトランジットの際の現地職員の積み替えも確実にできて箱への損傷も最小限で済み、安心して自転車を預けることにもつながります。

パッキングの前には必ず自転車の点検をしましょう。トラブルは現地で起こるとリカバーが大変です。点検で解決できるイージートラブルは出発前に完了させましょう。パッキング時には帰りのパッキングのためのテープとテープを切るためのカッターをを一緒に梱包することを忘れないようにしてください。

服装

持って行く服は自転車用の服装2日分と飛行機移動・町歩き用の1日分で十分です。自転車移動時の服は宿泊地到着後すぐに洗うことになり、乾かなくてもそのまま着て走行中に乾かすということを繰り返すことになるので事実上1日分いけます。このことからもう一着は雨中・防寒等の特殊条件用のものにすると良いです。

移動・町歩き用はGパン等でもいいですが、自転車にも乗れるようなストレッチ性のあるパンツを持って行くとライド中の服装に応用が利きます。

なお、同じ場所に滞在する機会が少ない場合は、その日のうちに乾き切らせるように速乾性のものは必須です。自転車移動では、汗もそうですが泥やチェーンオイルなどで汚すこともあるので、汚れの目立たない黒、青系のものがいいです。いろいろ調べたところMountbellのものが汚れも落としやすく無難な選択になりますね。サイクリングウェアのバックポケットはライド中だけでなく、普通の旅行中でもスマホのバッテリーなどを入れておくなど便利に使えますので普段着にもできるサイクリングウェアは海外旅行におすすめです。

シューズはミドルカットかローカットの靴底の堅いトレッキングシューズ一択です。町歩きにも合うデザイン、長時間ペダリングにも耐えられる靴底、かつ自転車で通るような悪路踏破も可能なものとなると、調べた限りではトレッキングシューズのみが候補にあがります。

寝間着については、そのままの格好で外に出てもそれ程それほどおかしくない格好で準備しておくといろいろ便利です。下はジョガーパンツ、上はTシャツで買い物等で軽く外出する時は何かを羽織って出るというのおすすめです。

スマートフォン

旅行中のスマホは、カメラ、ナビ、現地情報、天気、宿泊先の予約と確認、緊急時の連絡、写真撮影等に使用するため、安全な走行と旅をスムースに進めるためにはもはや必須です。ですので、一人での旅行の場合は故障を想定して2台持って行くほうが精神衛生上良いです。

そして一台はナビ専用、もう一台は普段メインで使っている写真や調べ物専用にし、故障時には現地で予備機を買うか、もう一台で凌ぐ形で対応すれば無駄もなく、かつ旅をスムースに進められます。スマホ一台でも対応はできますが、写真を撮ったり調べ物をするたびにスマホを外して画面を切り替える操作が必要になり結構面倒である他、脱着時に落としたりする危険もあるため、ナビ用とメインスマホは分かれていたほうが断然いいです。

なお、ナビ用のスマホは現役引退した古いスマホで十分ですが、SIMロックフリーにしておく必要があります。もしメインスマホが壊れた場合はこのスマホにSIMを挿して対応することになりますが、SIMフリーでないと通信ができず、予備機としての意味を為しません。さらに雨中ライドも考慮して防水型のものかアクアパックなどで防水対応にする必要もあります。小型防水スマホの「Atom」は自転車ナビにはぴったりです。ナビ用のスマホは基本的に通信は不要ですので、電池の消耗も考えて必要に応じてテザリングで対応で良いです。

メインスマホはDual SIM対応が望ましいです。一つは日本で使用しているSIM、もう一つは現地SIMという形でセットしておけば、いざという時に日本のSIMで通信が可能な他、SIMを無くす危険も無くなります。

スマホには自分のことを紹介するための写真を100〜200枚程度用意して、スマートフォンに入れておくかWebアクセス可能な場所にアップしておき、いつでも写真を見せられるようにしておくと話が弾ませられます。

スマホアプリ

自転車旅行で必須のアプリは以下になります

  • OmsAnd
  • Citymapper
  • Booking.com
  • GoogleMap
  • WhatsUp(またはその国でメジャーなメッセージアプリ)
  • 050plus

OmsAndはオフラインで自転車専用道路に沿ったルート探索ができるアプリです。外国では人のいない街と街の間の道路はおろか、たとえ街中でも通信ができない場所は多く、GoogleMapだけに頼るのは危険です。OmsAmdはマップもダウンロードできるので、通信ができない環境でもルート探索ができるので必須と言っていいアプリです。あらかじめ計画したルートをGPXで登録しておけば、常にGPXルートが表示され、探索時にはこのルートに乗るように探索もしてくれます。

Citymapperは各国の都市の公共交通機関までの距離や、乗り換え方法、時刻、現在の状況などを一発で調べて表示してくれるため、大都市での移動では大変重宝します。

Booking.comはホテルの探索と予約に使用します。Hotel.com等でも良いですが、大切なことは一つに絞ることです。旅行中は洗濯、食事などでそれほど余裕はないので、予約や場所の確認に時間を取られないようにするため、複数の予約サイトは使用しないほうがいいです。

GoogleMapは、ルートの確認や現在位置の表示、ストリートビューで現地の様子を確認、店の検索などOmsAmdの補完的役割レベルで使用すればよいです。自転車専用道路の選択と確認も可能なほか、地名が日本語で出てくるので発音ができるようになり、地名を覚えやすいという利点があります。

外国ではWhatsUpが多く使われており、Warmshowersで現地の人たちと連絡を取る際に重宝します。SMS等でも連絡はできますが、やはり写真や位置情報を簡単に共有できるという点ではメッセージアプリにはかないませんので、インストールは必須です。また、帰国後の連絡手段としても利用できるので、Warmshowersで築いた関係を維持するためにもインストールはしておくべきです。

050plusは日本との連絡をとるためのものになります。個人間の連絡はLINE等のメッセンジャーアプリで大丈夫ですが、保険会社や実家などメッセンジャーでつながっていない場合や日本側のスマホトラブルの場合は、どうしても電話での連絡になります。電話をローミングで使用するとかなり高額になるため、050Plusなどの電話を準備しておくと一人での旅行では安心できます。なお、050Plusは1ヶ月の無料試用期間があるため、通話をせずに解約した場合の利用料は無料です。

SIM

二週間程度の短期間ですと、現地でSIMを買うよりは日本で用意して行くほうが時間の有効活用という点でよいです。おすすめは「SIM2Fly」と「Vodafone red roaming」ですね(ググってください)。通信容量は二週間程度なら4GBあれば十分です。

なお、WarmShowersを利用する場合、メッセージアプリを利用していない人もちらほらいます。この場合、SMSや電話で連絡をとることになりますが、国外のSIMですと国際通話料扱いになり通信料が馬鹿になりません。ヨーロッパやその国での滞在が長い場合は、通話専用の現地SIMをその都度購入したほうがいいかもしれません。大概はスーパーマーケットや電気屋に行けば売っていますが、各国で購入時の事情が違いますのでSIMの種類を事前に調査しておいたほうがいいです。

空港でWiFiルーターをレンタルする手もありますが、荷物とメンテナンスの手間を減らすためにも、海外SIMは絶対利用すべきです。

モバイルバッテリー

ライド中はスマホをナビ代わりにしますが、スマホの電池だけではまず1日持たないため予備バッテリーは必須です。スマホによりますが、経験上スマホとモバイルバッテリーの合計が8000mAあれば大丈夫かと思います。10000mAあればほぼ安心レベルです。

また、モバイルバッテリーとは別に乾電池式のバッテリーも持って行くべきです。スマホ2台持ちであれば必須とまではいいませんが、持って行けば精神衛生上安心です。というのも、何かのトラブルでスマホのバッテリーが充電されなかった場合、以降スマホが一切使えずナビが使えないばかりか宿の予約や連絡すら取れず、路頭に迷う危険すらあります。コンセントを借りて充電という対応もできますが、充電が満足に終わるまでの間ひたすら待たねばなりません。この場合、バッテリーの回復手段は唯一乾電池を買う以外にありません。このためにも非常用として乾電池式のモバイルバッテリーは持っていったほうがいいです。乾電池式の場合、単3電池4本でiPhone半分程度を1時間半で充電できますので、16本程度買えば乗り切れます。

充電用USBケーブルの予備も持って行くことを忘れないようにしてください。充電ケーブルを無くすとバッテリーもスマートフォンもただの金属の重りと化します。ケーブルは現地で買うと高額ですので、日本で100均やAmazonで安いものを買っておき、旅行中はこれを利用するようにすればよいです。

お土産

自転車旅行では荷物を最小限にする必要があるため、質量で大きなお土産を持っていくことは基本的に無理です。ただ、栄養補給食「えいようかん」は日本のスイーツを試してもらえるという点でお土産としてなかなかいいです。持っていってもかさばることはなく、アレルギー系の含有物もなく、ライド中に必要であれば栄養補給も可能と自転車旅行には最適です。小指大に切ってお茶(なければストレートティー)と一緒に食べるのを伝えることを忘れずに。

便利小物

以下は無くても困りませんが、日本で事前に準備したほうがいいものになります。

  • パスポートベルト
    移動中は荷物の出し入れが多く、細かいものは無くすこともあります。しかし、パスポートと現金・カードは無くすと帰国すらできなくなるため、きちんと管理する必要があります。パスポートベルトですと常に体に密着しているため、いつでも確認が可能で移動中に忘れることもないため、安心感が格段に違います。
  • スリッパ
    海外では屋内でも靴を履くイメージがありますが、実際は室内履きに履き替えている家がほとんどです。ですので、スリッパは持って行ったほうが何かと都合がいいです。おすすめはmoviti “OTTO”(https://www.assiston.co.jp/1690)ですね。理由は「持ち運び時はまっ平らになるためかさばらない」「はく方向が前後どちらからでもいい」からですね。
  • ナイフとフォーク
    カップラーメンや食材などはスーパーで買うことができますが、日本のように箸やフォークがついてくることはありません。ユースホステルではナイフ、スプーン、フォークがあるので問題ありませんが、道中やホテルではナイフとフォークはないので、持って行くと安心です。
  • 耳栓
    ユースホステルに泊まる場合、大概は見知らぬ人と同室になります。この場合問題になるのが、寝てる間のいびきですね。旅の安全に安眠は必須ですので、耳栓は必須です。
  • 現金
    カード払いでほとんど済むとはいっても、現金は最強の決済手段ですので、現地通貨で幾らかは持っておくべきです。日本円も細かく両替ができるように1000円札を10〜20枚程度持って行くと帰国時の現金調整時に無駄が無くていいです。
  • 延長コード
    それなりのホテルではいい場所にコンセントがあることが多いですが、それでもコンセントとベッドが離れていることはあります。自転車旅行では事前に予定が立たないことから、就寝時も含めてスマホを確認することが多いです。ベッド上で充電できないとなるとコンセントから抜いて確認することもありますが、その後再充電を忘れて寝落ちということもあり得ます。自転車旅行ではスマホの充電忘れは致命的にもなりかねないので、安心のためにもベッド上で寝ながら充電できるように延長コードは持って行ったほうが安心です。
  • ビニール紐
    旅行中、洗濯物を干すときと、荷物や物を固定するときにビニール紐があると便利な場面が多いです。5m程度であればそれほどかさばるものでもないので、持って行くことをオススメします。なお、洗濯物を干すための紐の固定の仕方とハンガーの固定の仕方、紐の結わえ方は覚えておく必要があります。
  • 鍵(ロッカー、カバン用)
    移動中にカバンが開く(or開けられる)のを防ぐためと、ユースホステルなどのロッカー用です。1m程度の細いワイヤーがあると、これ以外にも自転車を軽くロックしたりできていろいろ応用が効きます。

[道中編]

サイクリング旅は天気やその日の体調などでリアルタイムに日程が変化するので、事前のプランニングし難くく、旅行中にプランを立てる必要があります。1日の流れは以下のとおりになります。

  • 朝は天気、ルートの確認、荷物のパッキング後に朝食を取り出発。
  • 昼はライド。宿泊先到着後洗濯とバッテリーの充電を即行います。
  • 夜は食事。ユースホステルの場合は近くのスーパーで食材を買って料理です。その後、次の日の天気の確認と翌日と翌々日の宿泊地を確認。Warmshowersを利用する場合は、ホストを探して宿泊可能かどうかの連絡をとります。ホストが対応できない場合に備え、宿泊先の目安も合わせてつけておきます。ホスト宅にいる場合はそのホストの予定に合わせて行動します。

時期によりますが、出発時間は8時〜9時くらいが目安です。到着は夜6時くらいを目標にすればいいです。目標時間までに到達できそうにない場合は電車等の公共交通機関でショートカットをします。宿泊先のキャンセルとプランの変更はかなりの労力を使いますので、素直にショートカットすることをお勧めします。

途中観光をする場合は、自転車を盗まれる危険があるので確実に自転車を預けるところがあるかを事前に確認すべきです。大都市の場合はホテルに預かってもらうのが一番良いですが、安宿では自転車を預かってくれない、預かってくれてもセキュリティーが十分でない場合もあるので、観光先でホテルを決める際には要確認です。

食事に関しては、自転車を安心して停めていられるのであればレストラン等でもよいですが、実際のところ盗難はいつ起こってもおかしくないので、事実上昼ご飯はベーカリーや屋台など自転車が視線に入るところで買って、外で食べることになります。ですので、朝・夕でしっかりご飯を食べ、昼は空腹を満たすことだけに専念するという形で行動するのが安心です。

洗濯は、ライド後は大汗をかいているので、ライド終了後即洗濯は必須です。乾かない事態を最小限に抑えるため、到着後すぐの洗濯は必須になります。

スマホバッテリーの充電も即開始必須です。コンセントが外れた、コンセントが通電されてないなど日本では考えられない事態は常に考えなければなりません。バッテリーが充電されていない事態を避けるためにも、即充電開始と寝る前までの充電完了は安眠と安全のために必須です。

食事については、ホスト宅でご馳走になる場合は遠慮なく量を頼んでいいと思います。食事の種類については旅行を楽しむという意味では、現地で普通に食べているものをお願いすればいいです。日本人から見る食事の感想を添えると相手側にもいろいろメリットがあると思います。

ユースホステルの場合は、近くのスーパーで食材を買って料理をすればいいです。調理道具は一通り揃っていますので、ちょっとした一手間で料理できるようなものを買えば時間もかからず、値段のわりに量も十分でお勧めです。もちろん外食もありです。

天気とルートの確認は、現地の人が使っているサイトを教えてもらうのがよいです。AccuweatherやGoogleでも確認はできますが、正確性に関してやや不安を覚えますので、現地の人に聞くのが間違いないです。

ルートについても同様で、プランしたルートがどのような感じか、代替ルートはないかの確認はすべきです。特に工事による通行止めや悪路情報はネットでもわからないため、ルートを知っている現地の人に聞いて確認は必須です。

その他、旅の楽しみは人との会話にあると思いますので、各種準備が終わったら会話を楽しみましょう。旅のいい思い出になります。

以上。