ピボットテーブルの作成方法

ピボットテーブルとは?

Excelを使っている人の中には、「ピボットテーブル」という名前だけなら聞いたことがあるという人も多いと思います。一方で、「聞いたことはあるけど、使ったことはない」「なんか、難しそう…」と思っている人も多いのではないでしょうか。

ピボットテーブルは、大量のデータをもとにさまざまな集計を行ったり、分析したりできる機能です。さらに、元のデータを「顧客ごとの売上金額」「支社ごとの売上金額」などの複数の項目別に集計したり、それらの集計項目を入れ替えたりするなど、できることは多岐にわたります。大量のデータを集めた「単なるデータの集まり」をビジネスに活かすための集計表に生まれ変わらせることができるのです。

さまざまな視点から集計ができる

では、ピボットテーブルはどんな時に使えるのでしょうか。経理部が作成した、各部署からの備品購入の申請を監理する備品管理表(①)の例を考えてみましょう。例えば、上司から「どの備品がよく申請されているか知りたい」「どこの部署が一番備品を購入しているか教えてくれ」と言われたらどうしますか。この状態のままでは、どこに注目すればよいかわかりませんよね。

この備品管理表をピボットテーブルにして、備品ごとに集計してみます(ピボットテーブルの作り方は、記事の後半で解説します)。すると、「リングファイル A4」の購入金額の合計が一番多いことがわかります(②)。また、「水性ボールペン 赤」は数量的には一番多く購入されていることがわかります(③)。

同じ備品管理表でも、集計する観点が変わると、集計表も別の結果になります。今度は、プロジェクトごとに部署別の備品の購入金額を集計してみます。「B社システム開発」における備品の購入金額の総額が一番多いことがわかりますね(④)。また、部署ごとの備品の購入金額も一目瞭然です(⑤)。

今回の備品管理表の例では、備品購入の申請があるたびに、1件ずつ明細を追加しています。このように日ごとに記録されている明細を、月ごとにまとめることもできます(⑥)。

この集計表からは、月ごとに各部署がどのくらい備品を購入しているのかがわかります。

ここで紹介した集計の例はほんの一部分です。元の「データの集まり」からどんなことが知りたいか、どんな分析をしたいかによって、集計する項目を変えたり、集計のやり方を変えたりできるとても便利な機能なのです。

ピボットテーブルを作ってみよう

ピボットテーブルがどんなときに使えるのか、イメージが沸いてきましたか? 実際の作成手順に入る前に、ピボットテーブル作成画面の各部の名称を簡単に図示します。

では、ピボットテーブルを作成してみましょう。ここでは例として、「備品管理表」の備品ごとに金額を集計します。

「備品管理表」の表内のいずれかのセルが選択されている(①)ことを確認して、[挿入]タブ(②)の[ピボットテーブル](③)をクリックします。

[ピボットテーブルの作成]ダイアログが表示されるので、ピボットテーブルにする表全体が選択されていることを確認します(④)。ここでは、新しいシートにピボットテーブルを作成するので、[新規ワークシート](⑤)をクリックして、[OK](⑥)をクリックします。

空のピボットテーブル(⑦)と[フィールドリスト]ウィンドウ(⑧)が表示されました。

空のピボットテーブルができたので、次は、表示したい項目をフィールドセクションのフィールドリストから選びます。今回の例は、備品ごとに金額を集計するので、「備品名」と「金額」を選びます。

フィールドリストから[備品名]をクリックして、レイアウトセクションの[行]エリア(⑨)にドラッグします。

次に、フィールドリストから[金額]をクリックして、レイアウトセクションの[列]エリア(⑩)にドラッグします。

備品ごとに金額が集計されました(⑪)。

これでピボットテーブルは完成です。

集計の結果、「リングファイル B5」の購入金額が一番多いことがわかりました。

http://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/exceltips/1076187.html