悪いのは、「夢を持て」って言うことじゃない。「夢を持て」といいつつ、夢の方向性を制限することだ。「なりたいもの」「やりたいこと」を「夢のあるもの」と「平凡なもの」に分類することだ。自分の基準で「夢がないなあ」という感想を吐くことだ。
「サラリーマンになって会社の為に働きたい」という夢に対し、我々は時に「平凡な夢だなあ」という感想を抱く。「現実的過ぎてつまらないなあ」という言葉を頭に浮かべる。
一方で、「宇宙飛行士」や「パイロット」という言葉を聴くと、我々はどういう訳か安心する。「子供らしい、純粋な夢だなあ」という感想を抱く。
「職業に貴賎なし」と言うのと同じ口で、「夢のある仕事」と「そうでもない仕事」を区別しているのである。
この根っこには、子供に「夢を持て」と言う立場である大人自身が、「楽しくない仕事」という感覚を自分自身に刷り込み過ぎているという事実があるんじゃないだろうか、という気がする。
「宇宙飛行士」であるとか「アイドル」であるとか、自分の中で「仕事の辛さ」と切り離してイメージ出来る職業のみを、大人は「夢」として受容できる。そういう話なんじゃないかなあ、という気がする。
引用元:http://quote-over100notes-jp.tumblr.com/post/172788205205